糖尿病と目との関係性~糖尿病網膜症、緑内障、失明の恐れ~

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

糖尿病から失明?!

 

 

糖尿病が恐ろしいと言われる背景にあるのが、合併症です。

ご存知の通り、糖尿病の3大合併症は「糖尿病網膜症」「糖尿病腎症」「糖尿病神経症」です。

 

このうち、目と関係がある合併症が「糖尿病網膜症」です。

糖尿病で失明するという話は聞いたことがあると思います。

実際私の友人も糖尿病から失明一歩手前までの状況にまで悪化してしまいました。

光を失うことの恐怖はぬぐえません。

「糖尿病網膜症」は糖尿病患者の約40%で発症すると言われています。

 

網膜とは、目の下にある薄い神経の膜(約0.2ミリ)のことで、光や色を感じる神経細胞が敷きつめられ、毛細血管が張り巡らされています。

目でモノを見るときに重要な働きをするところです。

 

血糖値が高い状態が長く続くことで、この網膜の毛細血管が損傷し、変形したり、詰まったりします。

結果、「かすんで見える」「ゆがんで見える」「見えない部分がある」といった現象が徐々に現れてきます。

 

症状が悪化することで最終的には失明といった状態にまで至るのです。

 

 

私自信は、もともと目は良くはありませんでした。

両目とも0.3ほどですが、糖尿が悪化したとき、実は目に関しても、全く自覚症状はありませんでした。

 

実際、糖尿病で入院してから、念のため眼科も受診しましょう、ということから、軽度の緑内障が発見されています。

 

糖尿病自体、自覚の少ない病気ですが、その合併症の目の部分も、あまり自覚がないというのが、私の体験でした。

 

幸いにも、まだ影響が少ないタイミングで発見でき、点滴治療を数か月実施し、今は問題ないという診断を得られています。

 

糖尿予備軍となった際には、「目」にも留意する、ということを覚えていただければと思います。

 

 

糖尿病網膜症と緑内障

 

 

糖尿病網膜症が悪化、進行するうえで、以下のようなプロセスを経ます。

 

 

①単純糖尿病網膜症

 

まずは第一段階です。

この段階では、以下のような症状が現れ始めてみます。

 

・網膜が傷つき、小さな出血(点状出血、斑状出血)が出てくる。

・毛細血管が膨らんでしまう(毛細血管瘤

・脂肪やたんぱく質が血管から漏れ出てきたシミ(構成白斑)が出てくる。

などです。

 

この段階ではあまり自覚がなく、血糖コントロールが改善できれば、症状は消えることも多くあります。

 

 

②前増殖糖尿病網膜症

 

これが第二段階です。

単純網膜症より一歩進行した状態で、さらに血管の障害が強くなった状態です。

 

網膜には血液が行き渡らなくなって酸素不足に陥る(虚血)部分ができてきます。

 

・シミのように見える(軟性白斑

・血流がなくなる(血管閉塞

・静脈が腫れあがる(静脈異常

・血液が網膜内に溜まり腫れる(網膜浮腫

などが現れてきます。

 

 

③増殖糖尿病網膜症

この段階に入ると、重症とも言えます。

 

網膜の虚血部分に酸素や栄養を送り込もうと新しい血管が伸びてきます。

 

しかし、この血管は本来なら血管が必要ない「硝子体」(眼球内部にあるゼリー状の組織)にも伸びていきます。

もともとこの新生血管が非常にもろいため、破れることで網膜や硝子体で出血硝子体出血)、血液成分が膜をつくってしまいます増殖膜)。

 

この状態でも急激に視力低下を招きますが、さらにこの膜が増殖してしまいうことで網膜を剥がす「網膜剥離」(牽引性網膜剥離)を引き起こしてしまいます。

 

怖いのは、大きな出血や網膜剥離が起きるまではほとんど無症状の方もいらっしゃることです。

結果、最悪の場合、失明に結び付いてしまいます。

 

この他、黄斑付近で、黄斑のむくみ(黄斑浮腫)が現れる、糖尿病黄斑症(糖尿病黄斑浮腫)というものもあります。

 

④新生血管緑内障

 

糖尿病の中でもう一つ怖い目の合併症としては、緑内障があります。

 

緑内障とは眼の固さ(眼圧)が上がり、視野の一部に見えない部分(暗点)ができたり、視野が欠けて狭くなる(狭窄)などの症状が起こります。

徐々に、見えない部分が大きくなり、放置すると失明に至る可能性もあります。

 

実際、私も軽度の緑内障を発症しています。

 

40歳以上の約20人に1人が、緑内障になっていると推定され、さらにこの緑内障は気づいていなかった人が、緑内障患者の89%を占めていたそうです。

 

日本では毎年2000人以上が、緑内障がもとで失明しており、先天的な視覚障害を除けば、日本で最も多い失明の原因です。

 

緑内障のポイントは、眼圧です。

網膜症と同じく、新たな毛細血管がでてきます。

その毛細血管が、目の中の水の出口を塞ぎ、水の逃げ場がなくなることで、眼球が内側から圧迫され、眼圧が高くなります。

 

つまり、緑内障治療は、この眼圧を下げることが重要となります。

 

私も眼圧を下げる目薬を処方され、数か月間毎日1回点眼していました。

なお、その目薬は様々ありますが、私の処方された目薬は、目の近くの皮膚が黒くなる、ということから、毎日お風呂場で点眼し、目の周りをしっかり洗い流してください、と言われるものでした。

 

いずれにしても、緑内障は眼圧がポイントで、早期発見が重要だということをご理解いただければと思います。

 

私の友人の場合、糖尿病悪化から、ある日、目から膿が出てくるほどにまで悪化したにも関わらず、その前兆として何も症状を感じていませんでした。

一番最初に、糖尿病の症状が「目」でした。

 

糖尿病自体、神経に障害をもたらす病気でもあることから、痛みなどの「感覚に鈍感」となることも、一つの要因かもしれません。

 

 

糖尿病網膜症の治療

 

 

では、網膜症を発症した際、どのような治療があるのでしょうか。

 

まずは当然ですが、糖尿病を発端とした症状のため、血糖値コントロールは第一歩となります。

 

血糖コントロールを前提としまして、合わせて、以下の治療方法があります。

 

①網膜光凝固術

網膜の虚血部分へレーザー光を照射し、新たな毛細血管の発生を抑えるために、熱で凝固してしまう手術です。

 

一部正常な網膜に傷つけてしまうこととなり、かつ悪化を食い止める手段で、視力回復などは期待できません。

 

あくまで最悪の失明などに至らないようにする防衛手段として実施し、早期に実施できた場合80%、時期が遅いと50~60%に効果が見られます。

 

通常、1回のレーザー照射は約15~30分、1回の手術で数十~数百か所、殆どの場合は痛みはなく、おおよそ3~4回の外来で実施でき、入院の必要性はありません。

 

②硝子体手術

 

症状が進行した場合の手術です。

眼球に3つの穴をあけて、血液などで濁った硝子体を除去し、人工の液体(灌流)や空気を注入し、置き換え内部を透明にする手術となります。

 

上記の網膜光凝固術(レーザー治療)で網膜症の進行を予防できなかった場合や、すでに網膜症が進行して網膜剥離や硝子体出血が起こった場合に対して行われる治療法で、視力にとって一番大切な黄斑を守る予防的な意味でも行われます。

 

 

糖尿病網膜症の予防

 

 

そもそも、網膜症にならないためには、どうすればよいのでしょうか。

実際に糖尿病となった私からのアドバイスとしては、一番大事なのは意識することかもしれません。

 

網膜症の予防法として以下が挙げられます。

 

①症状がなくても定期検診!

 

糖尿病患者はもちろんのこと、糖尿病予備軍とされた方は、お近くの眼科に、まずは受診することをお勧めいたします。

 

そのうえで、例え症状がなくても、定期的に検診することが重要かもしれません。

 

糖尿病網膜症はかなり悪化するまで、多くの場合、何の自覚症状もありません。

視力が低下したら手遅れの場合もあります。

 

最低でも、年に1~2回は受診するようにしましょう。

眼科の先生も、血糖値が高めであることを伝えることで、どの検査が必要かは、十分理解していると思います。

 

 

②血糖値の上下振り幅に注意!

 

血糖値のコントロールは基本ではありますが、血糖値の上下振り幅毛細血管には大きな負担となります。

 

単なる血糖値を下げるという意味ではありません。

急な上昇や、急な下落が、目などの毛細血管に多大な影響があるからです。

つまり、急な暴飲暴食、無理なダイエットなど、運動の量もそうですが、急激な血糖値の上下ふり幅も大きなリスクとなります。

安定した生活は目の予防にとっても非常に重要となります。

 

失明者の6人に1人は糖尿病を起因としたものだと言われています。

 

糖尿病を経験した私は、心筋梗塞を引き起こしていましたが、もし、心臓に異常がなく、そのまま生活していたら、失明という可能性は高かったと思っています。

まさに、糖尿病の恐ろしさを痛感しています。

 

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

元気!勇気!珠玉の名言集!!

コメントを残す

*

error: Content is protected !!